HEIGHTS 705

1986〜

思い出話

高校生の頃にスーパーマーケットでアルバイトをしていた。

その時にお世話になった先輩が二個上のオザキさんだ。

バイト初日に手取り足取り、仕事を僕に教えてくれ、可愛がってくれていた。

 

先輩はお洒落な人で茶髪でパーマ、ピアスも開けていた。

カレッジTシャツやネルシャツやディッキーズやラルフローレンなどアメリカ古着を好んで身につけていた。

 

当時は自転車で近所のジーンズメイトだとかマルカワとかの所謂カジュアルショップで洋服を

購入していたその程度だったし、周りに所謂お洒落な人もいなかった。

 

先輩に憧れを抱いた当時の僕は「古着屋に行ってみたい」と伝えると先輩は小田急線に乗り下北沢に連れて行ってくれた。

 

初めて行った下北沢は衝撃的だった。

 

シカゴやサンタモニカなどの老舗の古着屋や、すれ違うのも狭いお店や階段がこれでもかと急な雑居ビルにある古着屋を案内してくれた。

店内に漂うお香の香りやクリーニングされた異国の柔軟剤まじりの古着の匂い

レジ前に置いてあるイベントのフライヤー 見たことない空間に興奮しっぱなしだった。

 

何店舗回ったのだろう・・・都内の街をブラブラと歩き、店をまわること自体が初体験だったのだけど全てが新鮮で大人になったような気がした。

 

あれから20年以上経ったけど洋服を好きだし古着は特に好きだ。

その入り口をこじ開けてくれた先輩とは今では音信不通になってしまったけれど古着屋に行くとあの頃の先輩を思い出す。